パスタは日本でも人気が高く、家庭でも外食でもよく食べられています。しかし、イタリア本場のパスタは、日本で食べるパスタと見た目や味わい、食べ方にさまざまな違いがあります。本場の特徴や現地で大切にされている食文化、さらには家庭で再現するためのコツを知ることで、もっとパスタの魅力を感じられるようになります。
この記事では、パスタの本場イタリアに根付いた歴史や種類、地域ごとの名物レシピ、ソースとの組み合わせ、さらには本場流の楽しみ方まで、わかりやすく紹介します。イタリア語(いたりあご)の読み方も添えてご案内しますので、ぜひ参考にしてください。
本場のパスタの特徴と日本のパスタとの違い

パスタはイタリア料理(いたりありょうり)の代表的な存在ですが、日本で食べるパスタと本場イタリアのパスタとでは、食材や調理方法、食べ方に明確な違いがあります。ここでは、その違いや特徴を丁寧に見ていきます。
イタリアのパスタの歴史と起源
イタリアのパスタの起源は古代ローマ時代までさかのぼるといわれています。当時は現在のような乾燥パスタ(ぱすた)ではなく、小麦粉と水をこねて簡単に練っただけの生地が主流でした。中世に入ると、アラブ文化の影響を受けて乾燥パスタが普及し、保存性の高い食品として南イタリアを中心に広がりました。乾燥パスタ(ぱすたせっか)という言葉もイタリア語で「パスタ・セッカ」(ぱすた せっか)と呼ばれます。
その後、地域ごとに異なる原材料や製法が発展し、パスタの種類は数百種類に増えました。イタリアのパスタは、日常の食事だけでなく、祭りや家族の集まりでも欠かせない存在として親しまれています。この歴史的背景が、現代の多様なパスタ文化につながっています。
本場イタリアで主流のショートパスタ
イタリアではロングパスタ(ぱすた るんが)だけでなく、ショートパスタ(ぱすた こるた)も広く食べられています。ショートパスタには、ペンネ(ぺんね)、ファルファッレ(ふぁるふぁっれ)、リガトーニ(りがとーに)など、さまざまな形があり、それぞれに適したソースが存在します。
たとえば、ペンネは溝のある筒状の形状で、濃厚なソースやミートソースがよく絡みます。ファルファッレはリボンのような形で、クリーム系や冷製サラダに合います。ショートパスタは見た目も華やかで、イタリアの家庭料理やお祝いの席でもよく使われています。
表:代表的なショートパスタ
名前 | 読み方 | 特徴 |
---|---|---|
ペンネ | ぺんね | 筒状、溝がある |
ファルファッレ | ふぁるふぁっれ | 蝶やリボン型 |
リガトーニ | りがとーに | 太く、溝が深い |
イタリアの伝統と日本のパスタのアレンジ
イタリアの伝統的なパスタはシンプルな食材と調理法が特徴です。たとえば、トマトソースやオリーブオイル、チーズ、ハーブなど、身近な素材を組み合わせて作られています。イタリア語で「アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ」(ありお おーりお え ぺぺろんちーの)のように、にんにくとオリーブオイル、唐辛子だけのレシピも人気です。
一方、日本では明太子や海苔、しそ、醤油など和の食材を取り入れたパスタが多く見られます。これにより、日本独自の味わいが楽しめるようになりました。現地の伝統と日本のアレンジを知ることで、パスタの幅広い楽しみ方を発見できます。
本場のパスタに見られるタブーと食文化
本場イタリアではパスタの食べ方や組み合わせにいくつかの習慣や禁じ手が存在します。たとえば、パスタにケチャップを使うことはほとんどありません。また、スパゲッティ(すぱげってぃ)をスプーンで巻いて食べる習慣も一般的ではありません。
さらに、魚介系のパスタにチーズをかけることもイタリアでは避けられることが多いです。これは、魚介の風味を損なわないためとされています。こうした食文化やタブー(たぶー)を知ることで、本場のパスタをより深く味わうことができます。
味付けやソースで使い分けるパスタの種類
イタリアのパスタは、ソースや味付けによって使い分けられています。長いスパゲッティ(すぱげってぃ)やリングイネ(りんぐいね)はオイル系やトマト系によく合い、筒状のペンネやリガトーニは濃厚なラグー(らぐー)やクリームソースと相性が良いです。
また、パスタの形状や食感によって、選ばれるソースも変わります。これを正しく使い分けることで、家庭でも本場の味に近づきます。表で整理すると、違いが分かりやすくなります。
表:パスタとソースの組み合わせ例
パスタ | ソース例 | 特徴 |
---|---|---|
スパゲッティ | トマト、オイル | 細長く絡みやすい |
ペンネ | クリーム、ラグー | ソースがよく入る |
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イタリア各地の本場パスタと代表的なレシピ

イタリアは南北に長い国土を持ち、地域ごとに異なる気候や食材があるため、パスタにも土地ごとの個性が反映されています。それぞれの地域に根付いた代表的なパスタやレシピを紹介します。
北部イタリアのクリーム系パスタ
北部イタリアは、酪農が盛んなため乳製品を使ったパスタが多く見られます。たとえば、「タリアテッレ・アル・ラグー」(たりあてっれ ある らぐー)は平たいパスタに濃厚なミートソースを合わせます。また、「パッパルデッレ・アイ・フンギ」(ぱっぱるでっれ あい ふんぎ)はきのこのクリームソースが特徴です。
ベシャメルソースやパルミジャーノ・レッジャーノ(ぱるみじゃーの れっじゃーの)など、北部ならではの乳製品をふんだんに使うレシピが多いのも特徴です。クリーム系のやさしい味わいが、寒い地域の食卓を温めています。
中部イタリアのローマ三大パスタ
中部イタリア、特にローマ(ろーま)では「ローマ三大パスタ」と呼ばれる代表的なレシピが有名です。カルボナーラ(かるぼなーら)、アマトリチャーナ(あまとりちゃーな)、カチョ・エ・ペペ(かちょ え ぺぺ)です。カルボナーラは卵とチーズ、パンチェッタ(ぱんちぇった)を使い、クリームを加えないのが本場流です。
アマトリチャーナはグアンチャーレ(ぐあんちゃーれ)という豚肉とトマトソース、カチョ・エ・ペペはチーズと黒こしょうのみのシンプルな味付けです。ローマの伝統が息づく、力強い味わいが特徴です。
表:ローマ三大パスタ
パスタ名 | 主な材料 |
---|---|
カルボナーラ | 卵、チーズ、パンチェッタ |
アマトリチャーナ | グアンチャーレ、トマト |
カチョ・エ・ペペ | チーズ、黒こしょう |
南部イタリアの魚介系パスタと地域色
南部イタリアは地中海に面しており、新鮮な魚介を使ったパスタが発展しています。代表的なのは「スパゲッティ・アッレ・ヴォンゴレ」(すぱげってぃ あっれ ぼんごれ)で、アサリを使ったオイルベースのパスタです。また、「リングイネ・アッロ・スコーリオ」(りんぐいね あっろ すこーりお)は貝やエビなど海の幸をふんだんに使います。
南部ではトマトやオリーブ、ケッパー(けっぱー)など地元産の素材が活躍します。明るい気候のなかで育まれた爽やかな味わいが特徴です。
シチリアやサルデーニャの郷土パスタ
シチリア(しちりあ)やサルデーニャ(さるでーにゃ)などの島々は、独自の食文化が色濃く残っています。シチリアでは「パスタ・アッラ・ノルマ」(ぱすた あっら のるま)のように、ナスやリコッタチーズ(りこったちーず)を使った料理が有名です。
サルデーニャでは「マッロレッドゥス」(まっろれっどぅす)という小さな貝殻型パスタが親しまれています。これらの郷土パスタは、その土地ならではの食材や手作りの技法が詰まっています。
地域限定パスタとその魅力
イタリア各地には、その地域でしか味わえない限定パスタがたくさんあります。たとえば、北部のピエモンテ州(ぴえもんてしゅう)の「アニョロッティ」(あにょろってぃ)は肉や野菜を包んだ詰め物パスタです。中部のウンブリア州(うんぶりあしゅう)では「ストランゴッツィ」(すとらんごっつぃ)という太めの手打ちパスタが名物です。
こうした地域限定のパスタは、旅行先でしか食べられない特別感があります。食材や形状、作り方にその土地の歴史や生活が感じられるのが魅力です。
本場のパスタとソースの絶妙な組み合わせ

イタリアのパスタは、ソースとの組み合わせによって味や食感が大きく変化します。ここでは、パスタとソースの相性や、本場流の定番レシピについて解説します。
代表的なパスタとソースの相性
イタリアでは、パスタの形や太さによって合わせるソースが決まっています。細いスパゲッティ(すぱげってぃ)には、オリーブオイルやトマトベースのさらっとしたソースがよく合います。一方、ペンネやリガトーニのような太めのパスタは、ミートソースや濃厚なクリームソースと相性が良いです。
このように、パスタとソースを正しく組み合わせることで、それぞれの素材の持ち味を活かすことができます。食感やソースの絡み方にも気を配るのが本場流です。
パスタの形状ごとに選ぶべきソース
パスタの形状にはロングタイプとショートタイプがあり、それぞれにおすすめのソースがあります。たとえば、リングイネ(りんぐいね)やフェットチーネ(ふぇっとちーね)は魚介やクリーム系、ファルファッレ(ふぁるふぁっれ)は野菜や軽めのソースが向いています。
表:パスタ形とソースの例
パスタ形状 | ソース例 |
---|---|
フェットチーネ | クリーム、きのこ |
リングイネ | 魚介、トマト |
ファルファッレ | 野菜、バジルソース |
このように形とソースを意識して組み合わせることで、よりバランスの良い料理になります。
人気レシピに学ぶ本場流の組み合わせ
本場イタリアの定番レシピとしては、「ブカティーニ・アッラ・アマトリチャーナ」(ぶかてぃーに あっら あまとりちゃーな)や、「オレキエッテ・コン・クルミ・エ・ゴルゴンゾーラ」(おれきえって こん くるみ え ごるごんぞーら)などがあります。
たとえば、アマトリチャーナは中空の太いパスタ「ブカティーニ」に、トマトとグアンチャーレ(豚肉)を絡めます。オレキエッテは貝殻型で、濃厚なチーズやナッツのソースがよく合います。これらの組み合わせは、現地でも家庭の定番として親しまれています。
生クリームを使わない本格カルボナーラ
日本で人気のカルボナーラ(かるぼなーら)は生クリームを使うことがありますが、本場イタリアでは卵とチーズのみで作ります。「カルボナーラ」はローマの伝統的なレシピで、「ペコリーノ・ロマーノ」(ぺこりーの ろまーの)という羊のチーズと、黒こしょう、パンチェッタ(塩漬け豚肉)を使うのが特徴です。
卵のとろみとチーズのコクでソースができるため、シンプルながら深い味わいになります。生クリームを使わないことで、素材本来の味が引き立ちます。
日本で人気のアレンジパスタとの違い
日本では、たらこや納豆、明太子、和風きのこなど、和の食材を使ったパスタが人気です。こうしたアレンジパスタは、イタリアの伝統とは異なる味や食感が楽しめます。
一方、本場イタリアのパスタはシンプルな素材の組み合わせや、決められたルールを重視します。日本のアレンジとは違う、本場ならではのこだわりや工夫を知ると、よりパスタの魅力を深く理解できるようになります。
本場のパスタを自宅で楽しむためのポイント

イタリアの味を自宅で再現したいと思っても、何から始めて良いか迷う方も多いはずです。ここでは、おいしく仕上げる茹で方や盛り付け、食材選びのポイントを紹介します。
おいしく仕上げる茹で方のコツ
パスタをおいしく茹でるには、たっぷりのお湯と塩が欠かせません。目安としては、水1リットルに対して塩10グラムを加えます。お湯がしっかり沸騰してからパスタを入れ、袋の表示時間より1分ほど短めに茹でると、アルデンテ(あるでんて:少し芯が残る食感)に仕上がります。
茹で上がったら、すぐにソースと和えることで、パスタに味がよくなじみます。水気をしっかり切るのもおいしさのポイントです。
本場流のパスタの盛り付けと食べ方
イタリアでは、パスタは一人前ずつ盛り付けることが一般的です。平たい皿に適量を丸くまとめて盛り、上からチーズやハーブを飾ると見た目も美しくなります。
食べるときはフォークのみを使い、スプーンは使わないのが現地流です。また、ソースを残さず食べるために、最後はパンで皿をぬぐう「スカルペッタ」(すかるぺった)という習慣もあります。
イタリア人直伝の簡単パスタレシピ
家庭で手軽にできる本場レシピとしておすすめなのが「アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ」(ありお おーりお え ぺぺろんちーの)です。材料はパスタ、にんにく、オリーブオイル、唐辛子、塩だけです。
【作り方の流れ】
- パスタをアルデンテに茹でる
- フライパンにオリーブオイルとにんにく、唐辛子を入れて香りを出す
- 茹で上がったパスタと少量の茹で汁を加えて絡める
- 塩で味を調える
シンプルながら、素材の旨みを最大限に活かしたレシピです。
パスタとパンやワインの楽しみ方
イタリアでは、パスタだけでなくパンやワインと一緒に楽しむのが一般的です。食事の最初にグリッシーニ(ぐりっしーに:細長いパン)やカンパーニュ(かんぱーにゅ:田舎パン)を添えることも多いです。
ワインは地域やソースによって選ばれます。たとえば、トマト系には赤ワイン、魚介系には白ワインがよく合います。食事全体のバランスを考えて組み合わせると、より満足度の高い食卓になります。
日本でも手に入る本場の食材と選び方
最近は日本のスーパーマーケットや輸入食品店でも、本場イタリアの食材が手に入るようになりました。おすすめは以下の通りです。
- パスタ:ディ・チェコ(でぃ ちぇこ)、バリラ(ばりら)などイタリア直輸入ブランド
- オリーブオイル:エキストラバージン(えきすとらばーじん)表記のもの
- チーズ:パルミジャーノ・レッジャーノ(ぱるみじゃーの れっじゃーの)、ペコリーノ・ロマーノ(ぺこりーの ろまーの)
こうした食材を選べば、自宅でもより本場に近い味が楽しめます。
まとめ:本場のパスタが教えてくれる食文化の奥深さと魅力
イタリアのパスタには、長い歴史や地域ごとの伝統、厳格なルールや自由なアレンジが共存しています。本場のこだわりや食文化を知ることで、いつものパスタもより奥深く味わうことができます。
さまざまな種類やソース、食べ方を体験しながら、家庭でも自分らしいアレンジを楽しんでみてください。本場の知恵を参考にすることで、パスタの世界がさらに広がるはずです。
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