ベシャメルソースは、家庭でもレストランでもよく登場するなじみ深いソースですが、実は「ホワイトソース」と混同していたり、うまく作れずに困っている方も多いのではないでしょうか。「ダマになってしまう」「味がぼやける」「作り方が難しい」と感じる方もいらっしゃいます。
この記事では、ベシャメルソースの基本からプロのコツ、アレンジ方法まで、わかりやすく解説します。ぜひ参考にして、毎日の料理においしいベシャメルソースを取り入れてみてください。
ベシャメルソースの基本と特徴を知る

ベシャメルソースは、フレンチやイタリアンだけでなく、日本の洋食でもおなじみのソースです。ここでは、その起源や呼び名の違い、主な使われ方や魅力についてご紹介します。
ベシャメルソースの起源や歴史
ベシャメルソース(Béchamel、べしゃめる)は、フランス料理で広く使われている基本のソースです。その歴史は17世紀にまでさかのぼり、ルイ14世の宮廷で活躍したルイ・ド・ベシャメル(Louis de Béchamel、るい・ど・べしゃめる)の名が由来とされています。
当初は牛乳を加える現代のようなスタイルではなく、小麦粉とバターを炒めてからブイヨンやクリームでのばしていたそうです。時代とともに、牛乳を加えることでよりなめらかな食感と優しい風味が生まれ、現代のベシャメルソースの形が完成しました。フランスのみならず、イタリア(besciamella、べしゃめっら)でもラザニアやグラタンに欠かせない存在となっています。
ベシャメルソースとホワイトソースの違い
日本では「ホワイトソース」という呼び名もよく使われますが、厳密にはいくつかの違いがあります。まず、ベシャメルソースはフランス発祥で、バターと小麦粉を炒めたもの(ルー)に牛乳を加えてつくるのが基本です。塩やこしょう、ナツメグで味を調えることがよくあります。
一方、ホワイトソースは日本の洋食文化の中で発展しました。ベシャメルソースをベースに、玉ねぎや生クリームなどを加えることも多く、レシピによっては具材や調味料のバリエーションがあるのが特徴です。下記の表で違いをまとめます。
ソース名 | 主な材料 | 特徴 |
---|---|---|
ベシャメル | バター・小麦粉・牛乳 | フランス発祥、なめらか |
ホワイトソース | ベシャメル+α | 日本の洋食、アレンジ多 |
ベシャメルソースが使われる料理の例
ベシャメルソースは、さまざまな料理のベースとして使われます。グラタンやラザニア、クロックムッシュ(croque-monsieur、くろっくむっしゅ)、ムサカ(moussaka、むさか)などが代表的です。
また、白身魚や鶏肉のソースとして添えたり、野菜のオーブン焼きにも活躍します。日本の家庭では、マカロニグラタンやドリアのソースとして親しまれています。料理の幅広さと、具材の旨みを引き立てるなめらかな口当たりが特徴です。
ベシャメルソースの役割や魅力
ベシャメルソースの魅力は、シンプルながら奥深いコクとなめらかな食感にあります。具材の持ち味を邪魔せず、優しく包み込むような仕上がりで、子どもから大人まで好まれる味わいです。
また、味付けや具材によってアレンジしやすいため、家庭料理からレストランの一皿まで幅広く使えます。ホワイトカラーが料理を美しく見せ、クリーミーなコクを加える役割も担っています。
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ベシャメルソースの材料と下準備

ベシャメルソースをおいしく仕上げるためには、材料選びや下ごしらえが大切です。ここでは基本の食材や代用・アレンジのコツ、道具選びについてまとめます。
ベシャメルソースに必要な基本食材
ベシャメルソースの基本材料は次の3つです。
- バター(無塩)
- 小麦粉(薄力粉)
- 牛乳
この3つがあれば、基本のベシャメルソースを作ることができます。塩やこしょう、ナツメグは好みに合わせて加えます。乳脂肪分が高めの牛乳を選ぶと、よりコクのある仕上がりになります。
おいしく仕上げるための下ごしらえのポイント
材料はできるだけ常温に戻しておくと、ダマになりにくくなります。とくに牛乳は、冷たいまま加えると分離やダマの原因になりやすいので、レンジや鍋で軽く温めておきます。
バターと小麦粉をしっかり炒めて、粉っぽさをなくすことも大切です。この工程を丁寧に行うことで、なめらかで香りの良いソースに仕上がります。焦がさないように注意しながら、中火以下でゆっくり炒めましょう。
代用できる材料やアレンジのコツ
バターがない場合は、マーガリンやオリーブオイルで代用できます。ただし、風味やコクが変わるため、洋風料理ではバターが最もおすすめです。また、牛乳の代わりに豆乳やアーモンドミルクを使えば、ヘルシーなアレンジが可能です。
小麦粉はグルテンフリーにしたい場合、米粉(べいこ)やコーンスターチで代用することもできます。このように、材料を変えることでアレルギーやカロリー制限にも対応しやすくなります。
道具選びと調理のコツ
ソース作りには、厚手の鍋やホーロー鍋、テフロン加工のフライパンが適しています。熱が均一に伝わるので、焦げにくく、なめらかな仕上がりになります。
また、ダマを防ぐためには木べらや泡立て器を使い、しっかり混ぜ続けることがポイントです。泡立て器なら、細かいダマもつぶしやすく便利です。材料や道具を準備しておくことで、安心して調理を始められます。
ベシャメルソースの失敗しない作り方

「ダマになる」「焦げつく」「味が決まらない」といった悩みを解決するために、失敗しないベシャメルソースの作り方やコツを解説します。
ダマにならないベシャメルソースの作り方
ダマを防ぐには、「ルー」と呼ばれるバターと小麦粉を炒めたものに、温めた牛乳を少しずつ加えて混ぜるのがコツです。牛乳は一度に加えず、数回に分けて加え、その都度よく混ぜると滑らかになります。
ある程度とろみがついてきたら、火加減を弱火にして焦げつきを防ぎます。混ぜ続けることで、ダマのないなめらかな状態を保てます。万が一ダマができた場合は、こし器やざるでこしてなめらかにする方法もあります。
牛乳を加えるタイミングと加熱のコツ
牛乳はルーを作った直後、まだ温かいうちに加えると溶けやすいです。冷たい牛乳を加える場合は、少量ずつ丁寧に混ぜることで分離やダマを防げます。
加熱は中火から弱火で行い、ソースが沸騰しないように注意します。長時間加熱しすぎると風味が落ちるので、とろみがついたら火を止めるのがおすすめです。
味を調えるためのポイント
ベシャメルソースはシンプルな味付けが基本ですが、塩やこしょうの加減で仕上がりが大きく変わります。少しずつ味見をしながら加えていくことで、失敗しにくくなります。
ナツメグ(nutmeg、なつめぐ)をひと振り加えると、香りとコクがプラスされます。また、好みに応じてチーズや生クリームを加えると、より濃厚なソースになります。
作り置き保存や冷凍保存の方法
ベシャメルソースは冷蔵保存が可能ですが、できるだけ清潔な容器に入れ、2〜3日以内に使い切ることをおすすめします。表面にラップを密着させて乾燥を防ぐとよいです。
余った場合は、冷凍保存もできます。小分けして冷凍し、使う際は自然解凍または電子レンジでゆっくり温め、よく混ぜてから使います。ただし、冷凍後は分離しやすいため、鍋で温め直しながら混ぜると滑らかさが戻ります。
ベシャメルソースを使った人気レシピ

ベシャメルソースを使ったさまざまなレシピは、家庭でも手軽に楽しめます。ここでは定番からアレンジまで、おすすめの使い方を紹介します。
グラタンやラザニアへの応用
グラタンやラザニアは、ベシャメルソースのなめらかさとコクを存分に味わえる人気メニューです。具材の旨みがソースと絡み、お子さまにも好まれます。
マカロニやパスタ、じゃがいも、鶏肉、ほうれん草など、冷蔵庫にある材料で手軽にアレンジできます。焼き上げることで表面が香ばしく、中はとろりとした仕上がりになります。
野菜や魚介を使ったヘルシーレシピ
ベシャメルソースは、野菜や魚介と組み合わせてもおすすめです。カリフラワーやブロッコリー、鮭や白身魚のソテーにかけてオーブンで焼くと、素材の味が引き立ちます。
トッピングにチーズやパン粉を加えると、ヘルシーながら満足感のある一皿になります。野菜の種類や組み合わせを変えることで、季節ごとのアレンジも楽しめます。
いつもと違うアレンジレシピ
ベシャメルソースは、ドリアやクロックムッシュ、ムサカなど世界各国の料理にも応用できます。たとえば、カレー粉やハーブを加えれば、香り豊かなアレンジソースになります。
また、さつまいもやかぼちゃを加えて、秋らしい甘みのあるソースに仕上げるのもおすすめです。アレンジ次第で、普段のメニューに新しいバリエーションを加えることができます。
ベシャメルソースと相性の良いワインや飲み物
ベシャメルソースを使った料理には、白ワイン(vin blanc、ばん ぶらん)やスパークリングワインがよく合います。クリーミーなソースとワインの酸味がバランスよく調和します。
ノンアルコールなら、レモンやハーブを使ったフレーバーウォーターや、すっきりとした紅茶もおすすめです。下記の表でおすすめの組み合わせをまとめます。
料理名 | おすすめ飲み物 | コメント |
---|---|---|
グラタン | 白ワイン | さっぱり合う |
ラザニア | 赤ワイン | コクが調和 |
クロックムッシュ | 紅茶 | 軽い朝食にも |
ベシャメルソースをもっと楽しむために
ベシャメルソースは伝統料理だけでなく、日々の家庭料理や新しいアイデアにも活用できます。各国での使われ方や上達のコツもご紹介します。
フランスやイタリアでのベシャメルソースの使われ方
フランスでは、グラタンやクロックムッシュ、オーブン料理のベースとして使われることが多いです。イタリアでは、「ベシャメッラ(besciamella、べしゃめっら)」と呼ばれ、ラザニアやカンネッローニ(cannelloni、かんねっろーに)などに欠かせません。
国ごとに微妙に配合や使い方が異なり、フランスはあっさりと、イタリアはチーズや香辛料を加えて濃厚にするなどの特徴があります。食文化の違いがソースにも表れています。
プロのシェフが教えるワンランク上のコツ
プロのシェフは、ルーをしっかり炒めて香りを引き出すことや、牛乳を数回にわけてゆっくり加えることを心がけています。また、仕上げに裏ごしをすると、よりなめらかなソースになります。
バターや牛乳の質にもこだわり、風味やコクを大切にしています。小さなテクニックで、家庭でもレストランのような上品なソースを目指せます。
家庭料理でベシャメルソースを活用するアイデア
ベシャメルソースは、冷蔵庫の残り野菜やお肉を活用した一品に最適です。たとえば、余った野菜と一緒に炒めて簡単なグラタンにしたり、ごはんにかけてドリア風にすることもできます。
また、パンに塗ってチーズをのせて焼けば、手軽な軽食やおやつにもなります。市販のソースよりも、手作りならではの優しい味わいを楽しめます。
ベシャメルソースを使った世界各国の料理紹介
ベシャメルソースはフランスやイタリアだけでなく、ギリシャのムサカやイギリスのフィッシュパイにも使われています。それぞれの国で個性豊かな料理に変身します。
日本の洋食でも、クリームコロッケやホワイトシチュー、ドリアなど幅広いメニューに応用されてきました。世界の料理を知ることで、食卓のバリエーションがさらに広がります。
まとめ:ベシャメルソースで広がる世界の味と家庭料理の楽しみ
ベシャメルソースは、シンプルでありながら奥深い味わいを持ち、世界中の家庭やレストランで愛されています。基本をおさえれば、手軽に本格的な味を楽しめます。
アレンジや保存方法も工夫次第で無限に広がります。毎日の料理やおもてなしメニューに、ぜひベシャメルソースを取り入れて、食卓を豊かにしてみてください。
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